ボールベアリングのメンテナンスは脱脂して注油。
そしてこの「注油」にそれぞれのオーナーの個性が集約されると思います。
ベイトリールにおいていくつか試したみて分かったことのまとめです。
注油の目的
ボールベアリングの回転が一番良いのは、何も注油しないこと。
たとえば、回る事が命のハンドスピナーのベアリングには注油はしません。
オイルなどが入ることによってどんなに粘度が低くても抵抗となるからです。
注油の主な役割は油膜を作ることでベアリングの摩耗の減少し、内部への水の浸入や錆から保護する事。
各ベアリングの役目によってオイルとグリスの使い分けをする事で、リールが使いやすく長持ちします。
スプールシャフトを支える「飛び」に関するベアリングにはオイル、その他の「巻き心地」に関するベアリングにはグリス、と考えています。
「飛び」に関するベアリング
スプールシャフトを支えるベアリングの回転はキャストの際の飛距離に直接関わってきます。
ここには粘度の低いオイルを使用します。
高回転時にも抵抗にならない、飛んで行か(揮発し)ない、水に濡れても性質が変化しない、そんなオイルが理想です。
使う量も「一滴」。
たくさんつけても、ただの抵抗になってしまいます。
純正と比べてサラサラな「IOS-01」がキャスト時に失速せずコントロールしやすく感じていて、今のお気に入りです。
「巻き心地」に関するベアリング
具体的にはハンドルを支えていたり、ギアシャフトを支えていたりと、様々な「回転」する箇所に取り付けられていて、それらのスムースな回転を助けています。
低価格機の場合、ハンドルノブなどは樹脂製のカラーが入っていますが、基本的な箇所はほぼ同じくボールベアリングが取り付けられています。
なぜこれらの箇所には「グリス」なのか?
もちろんオイルを差しても問題ありません。
サラサラのオイルの場合、むしろ回転は良いので、くるっくる回ります、が、巻いている際にベアリングのノイズが気になります。
スプールシャフトと違って高回転が必要なわけではないので、グリスを充填させたほうが、しっとりと巻き心地が良くなります。
またベアリングの設置箇所がリール本体の分解が必要な、簡単に注油出来る箇所ではないので、オイル切れの不安が少ないグリスが良いと考えています。
各ギアの滑らかに回転させてくれるZPIのF0グリス ミディアムが個人的には好み。
このF0グリスをリフレッシュセットを使ってベアリング内にグリスを充填させます。
もちろん粘度が高めのオイルでも良いと思います。
なお、以前のエントリーで記載したセラミックグリスを充填してみたところ、巻き心地は一言「重い!」